2016.09.30

テクノロジーを活用したアウトソーシングが拓く“逆転”の世界

テクノロジーを活用したアウトソーシングが拓く“逆転”の世界

今までのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は人件費の安い国に日本のビジネス・プロセスを提供し、業務改革を推進することで効果をあげてきました。現在、テクノロジーの進化がその姿を大きく変貌させようとしています。ビジネス・プロセスにロボティクスやコグニティブなどの最新テクノロジーを取り入れて大幅な効率化を図るとともに、分析を活用した高度な提言も実施することができるようになったのです。

「“逆流的”発想で、アウトソース現場の改革から本社バックオフィス部門のプロセスや役割の“再定義”にも手をつける」。このような次世代BPOが拓く新たな世界についてご紹介いたします。

松尾 美枝
松尾 美枝ビジネス・プロセス・サービス事業部長 理事

日本IBMにてシステム・エンジニアとして、お客様システム開発・導入を担当。その後、大手監査法人勤務。渡米し、東証一部上場会社米国子会社のバックオフィス部門責任者を経験し、帰国後IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)にて、会計システム構築・経理業務変革プロジェクトに従事。近年はグローバル企業のバックオフィス変革プロジェクトに数多く従事。保有資格:税理士、米国公認会計士、公認内部監査人、公認内部システム監査人。

BPOの新しい潮流によって変化が起こる中、IBMが取り組む支援

BPOの現場では、いかに効率化を促進しコスト削減に貢献できるかを常に考え、日々改善活動に取り組んでいます。このことは、一義的にはBPOに取り組む本社バックオフィス部門(経理財務部門/人事部門/購買部門)の目的に合致しているといえるのですが、それだけでは求められる役割の半分を満たしているに過ぎません。言い換えれば、もう半分の意思決定支援のための洞察の提供など、強化すべき役割や価値の「再定義」には及んでいませんでした。

本来、本社バックオフィス部門が取り組むべきことは大きく2つだと思っています。一つは、標準化・業務の効率化等によるオペレーション・コストの削減。もう一つは、意思決定に役立つ洞察力の提供等、付加価値業務です。では、「その取り組むべきこと=あるべき姿の再定義」は、どのように進めたらよいのでしょうか。

例えば、IBMではデザイン思考という手法に基づいてコンサルティングを行います。最新のテクノロジーを活用したBPOの新しい潮流も鑑み、本社バックオフィス部門とBPO部門全体でのあるべき姿の「再定義」を支援しています。

最新のテクノロジーを活用したBPOの新しい潮流

旧来のBPOでは「デスクトップ・オートメーション」、すなわちアプリケーションを操作する上で、個々のオペレーション作業タスクを自動化するツールである、マクロ等を駆使して生産性の向上活動をしていました。昨今は新しいテクノロジーである「ロボティクス・オートメーション」という、“アプリケーションを超えて連携し、一連の操作を自動化する”ツールを積極的に活用しています。

IBMにはロボティクスによるプロセス改革推進に特化したチームもあり、BPOをご利用いただいているお客様に対して活用の提案をしています。さらに、「コグニティブ・オートメーション」として、IBMのコグニティブ・システムである「IBM Watson」を活用した意思決定支援やアナリティクスによる洞察の提供、対話型サービスの提供が可能となりました。

これら新しいテクノロジーによって、BPOでも新たな洞察力の提供が可能となります。BPO部門では、本社バックオフィスと「One Floorオペレーション」の気持ちで活動しています。本社バックオフィス部門が強化すべき役割や価値の「再定義」を、「One Floorオペレーション」のBPO部門と一緒に進めることができるようになると思っています。

BPO活用の成功ポイント

本社バックオフィス部門とBPO部門の活動がばらばらになってしまっていては、BPO活用の効果は最大化できません。バックオフィス部門改革の全体像を考え、改革全体像を全社で理解し改革を進めることをお勧めします。改革には、本社の強力な推進体制が必要です。また、テクノロジーの活用により、今までのBPOとは異なる新しい価値が提供できるようになっています。新たなテクノロジーの潮流も理解し、全体改革の中でBPOの効果を最大限活用していただきたいと思います。

実際にBPOで先進的な取り組みを行っている企業

実例を紹介すると、サントリービジネスエキスパート株式会社様では、経理業務におけるBPOにロボティック・プロセス・オートメーションと呼ぶ自動処理を適用して、入力作業の省力化や品質向上を実現しています。テクノロジーによってさらなる効率化を実現し、将来的にはIBM Watsonに代表されるコグニティブ・コンピューティングを活用したビジネスへの貢献も見据えています。

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photo:Thinkstock / Getty Images